アダムスとインパクトの関連性【後篇】

前回はアダムスベースの機体についてのお話でしたが今回は大本命、インパクトとの関連性についてです。

前篇をまだお読みでない方はこちらからどうぞ

生き残りとは?

最初に引っかかったのが、Qでのマリのセリフ
「覚醒したみたいね。アダムスの生き残りが」
というものです。

アダムスという超重要単語がさらっと出てきただけあってそちらにばかり気を取られてしまい、不覚にも""生き残り""というワードを完全にスルーしていました。むしろこちらの方が重要だったのではないかと今になっては思うのです。

まずこの"生き残り"というワードですが、生き残っているとくればそりゃもちろん誰もが「死んだ奴もいるのでは?」となるわけです。もちろん、死ぬとまではいかずとも活動停止のようなものと考えることも可能です。

第13号機がアダムスの生き残りであるのなら、死んだアダム(何体かは不明)はどこにいるんだと考えた時に、先ほどのアダムスに関する考察が生きてきます。

アダムスベースだと考えられる4機のうち、第13号機を除いた
  • 初号機
  • Mark.06
  • Mark.09
このうちで死んでそうな機体と言えば、まず思い浮かぶのがMark.06です。リリスから解放された後のこいつを見てください。
このグニャングニャンの身体、どう見ても生きているとは思えません。まるで芯がなくなってしまったタコのような見た目です。

初号機については破のラストでカシウスの槍を刺されてもはや死んだような描写になってはいますが、Qでのコンテナ回収シーンで一瞬映った目を見る限りでは瞼もしっかり動いていますしこれは明らかに生きている者の眼です。
しかも初号機をベースとして建造されたヴンダーも問題なく動いているため、初号機はシンジのメンタリティに反して見事に力強く生き抜いてくれたと言っても良いでしょう。

話をMark.06に戻しまして、何故死んだのかと考えたときに、
リリスと融合(接触?)してサードインパクトを起こしたから」
と考えることができます。接触以前に死んでしまってはそもそもサードインパクトが起きませんし、Qで発見された時にはリリスと同化した状態だったためです。

ということは、アダムスはインパクトを発動させたら死ぬのではないかと思ったのです。インパクトそのものの意味が現時点でわからない以上、インパクトによってアダムスが死ぬ理由や意味もまたわかりませんが。

逆に言うと、ニアサードインパクトを起こした初号機は完結しない"ニア"で終わったために死なずに済んだとも考えられます。

インパクトについて

少し話は変わりましてQラストのシンエヴァ予告について。お馴染みのミサトさんのナレーションの中でファイナルインパクというワードが飛び出します。普通に考えてセカンド、サード、フォースとくれば次はフィフスインパクトとなるはずなのですがそうではなく、あくまでファイナルなのです。

これはつまりインパクトはむやみやたらと乱発しているわけではなく、総回数が決められているものだということを表しているのです。

ここで
という2つの条件について改めて考えると、実はセカンド以降のインパクトは4回であることがわかるのです。この4という数字、なんとアダムスの人数と合致しているではありませんか。

このことから


セカンドインパクト以降、インパクト1回をアダムスのうちの1体が順番に起こしているのではないか


という仮説を立てることができます。

アダムスとインパクトの関連性

さらに先ほどの『死んだアダムス』の話とつなげます。
これらを総合して考えると、


セカンドインパクトを起こしたアダムも既に死んでいるのではないか


となるわけです。ではセカンドインパクトを引き起こしたアダムはどの機体なのかということですが、
よってこれら2体は候補から除外されます。残るは
初号機とMark.09のどちらかということになるのですが、初号機はサバイバー認定されましたのでじゃあMark.09かというわけです。

そこで前篇にて書きました、
「Mark.09は全身コアでこんなチート能力はアダムに違いない」
というところが図星だったわけです
先に結論を言ってしまいますがセカンドインパクトを引き起こしたのはMark.09(のベースとなっているアダム)である可能性が高いということになります。

実は全身コアというワード、別の場所にも出てきてますよね?そう、第12の使徒。つまりはMark.06です。
 
死んだMark.06(第12の使徒)もまた全身コアという超次元パワーを持っていたのです。


死んで全身コアとなったMark.06と同じように、Mark.09もまた全身コアである
これはつまりMark.09も死んでいるからなのではないか


と考えられます。
これは第13号機に関しても同じことが言えます。見事にフォースインパクトを発動させた第13号機ですが、
ロンギヌスの槍を自らに刺した直後、急に活動を停止してしまいます。カヲルの首が飛んでパイロット不在となってしまった結果とも考えられますが、これもまた『インパクトを起こしたアダムは死ぬ』という仮説の根拠となり得るでしょう。


これだけではありません。Mark.09の別名である、アダムスの器にも注目します。
前篇でも書きましたが、器と聞くと魂の容れ物つまり空っぽの身体を連想することでしょう。Mark.09が器と呼ばれている以上は、魂がないが故と思われます。ではなぜ身体だけなのかというのもまたセカンドインパクトを起こした結果と考えられます。

TV版、旧劇場版における補完計画とは
「身体を捨てて魂をひとつところに集める」
といったものでした。

こちらの設定を踏襲するのであれば、Mark.09はセカンドインパクトを自ら(?)起こしたことによりその魂を別場所へ持っていって(持っていかれて)しまい、結果として器のみが残ったがためにミサトらにそう呼ばれているものと考えられます。

事実、Qの時点でインパクトを発動し終えているMark.06とMark.09に関してはいずれの機体もやたらとグネグネとした体躯になっています。Mark.06は前述のとおりですし、Mark.09に関しては身体が異様に柔らかかったりありえない角度で曲がっていたりといった特徴が見られます。これもまたインパクトによって魂のない存在となってしまったことによるものなのかもしれません。


さらに劇中では明かされていませんが、公式グッズの名称にも着目してみます。セガプライズで2014年にこのような名前としてMark.09のフィギュアが登場しています。
 
第1のアダムスの器(移行中間形態)ゼーレ仕様

そう、『第1』なのです。ここまでくればMark.09が他の3体に先立ってセカンドインパクトを起こしたと言ってしまっても良いのではないでしょうか。発売当初はお決まりの意味不明ネームかと完全スルーでしたがよくよく考えれば意味深でしたね。

結論

これらの根拠からまとめると
  • セカンド以降の計4回のインパクトはアダム1体ずつによって引き起こされている
  • インパクトを起こしたアダムは死ぬ(Mark.06のように新たな使徒として生まれ変わる?)
  • セカンドインパクトを起こしたのはMark.09である可能性が高い
ということになります。

アダムスベースの機体考察と、アダムスとインパクトの関連性の考察が相互にがっちりと組み合わさった感じがしませんか。アダムスベース考察がインパクトの根拠になり得るし逆もまた然りというわけです。

結局のところあれやこれやとたくさんの謎の解明につながる複雑な糸が一気に解けただけで特にこれといった収穫がある考察でもないのですが、この考察の最大のポイントを挙げるとすれば、


シンエヴァで初号機が復活する可能性が非常に高い


ということでしょう。今までの考えをもとにすると、

フォースインパクト→第13号機
ファイナルインパクト→???

となりますが、残るアダムは1体、初号機のみです。ファイナルインパクトは初号機が担当することになる可能性が非常に高いと思うのです。しかも量産機(らしきもの)も動員してのものと予想されますので、旧劇場版に似た展開となる可能性も考えられます。予告の通りに話が進めばですが...